5TH_WORKSHOP

 テーマ

金融ネットワークのレジリエンスとリスク

 趣 旨 

現代社会は様々なセクターが金融ネットワークを通じて相互に結合するようになっています。その結果、ある産業セクターでのクラッシュや金融セクター自身のクラッシュに伴う、金融セクターの資金不足が様々なセクターに資金供給量の変動という形で強い影響を及ぼすことが認識されるようになってきました。これまで、金融ネットワーク研究会では、このような金融ネットワークのシステミック・リスクに関する問題に対し、銀行システムやネットワーク構造に着目した研究に焦点をあて研究会を開催してきました。第5回金融ネットワーク研究会は、それに加えて、これまでとは異なる切り口から金融ネットワークとシステミック・リスクをとらえる方法論の発展に取り組みたいと考えたいと思います。システミック・リスクとは、多くの産業セクターにまたがって同期して大量の損失が発生する現象と理解されますが、その原因として、大きく内生的要因と外生的要因との2種類が存在していると思われます。内生的要因とは、金融市場内部の構造に起因して起こり金融システム自身の問題として定式化される一方で、外生的要因とは、大規模な自然災害や複合事故による複数セクターにまたがる大規模な物理的ダメージのシナリオが考えられます。このような外生的要因によるシステミック・リスクシナリオは稀少頻度事象ですが、確かに、しばしば発生することが確認されています。そして、この問題に再保険市場はアプローチしてきた長い歴史を有しています。今回は招待講演者としてGen Re日本代表石井隆氏をお迎えし、自然災害や事故のリスクに再保険という仕組みがどのような規模感で市場を形勢し、損失を相互にカバーする仕組みを構築しているかについてご講演いただきます。更に、英語企画セッションを新しく設定し、海外の研究者と国内の研究者とが金融ネットワーク研究会を通じて相互に情報交流を行い、研究と関係を深めることができる機会づくりに挑戦します。大学研究者、金融機関、銀行、保険会社、ならびに、金融監督当局のご担当者による、内生的、外生的要因による金融ネットワークのシステミック・リスクに関連する講演を広く募集し、話題提供頂くとともに、情報交換と考え方を共有できる場を形成し、実務に直結したリスク推計ならびにリスク管理方法の発展に寄与することを目指します。どうぞ奮って講演申込ください。

 日 時

平成27年 12月 2日(水)・3日(木) 

 受 付

京都大学吉田キャンパス 時計台百周年記念館2F会議室2

 会 場

京都大学吉田キャンパス 時計台百周年記念館2F会議室3

京都府京都市左京区吉田本町36−1

アクセス (構内マップはこちら)


 参加費

無 料


 懇親会

懇親会申込者にのみ会場にて通知


 重要日程

発表締切 : 11月18日(水)
参観締切 : 11月30日(月)


 申込み方法

発表をご希望の方 : ページ上部の「発表投稿」のメニューより、参加形態で「発表」を選択、「第5回研究会」を選択した後、必要事項をご記入いただき、「決定する」をクリックしてください。申込みが正常に行われますと、登録内容が表示されます。

参観のみをご希望の方: ページ上部の「発表投稿」のメニューより、参加形態で「参観」を選択、「第5回研究会」を選択した後、「決定する」をクリックしてください。申込みが正常に行われますと、第5回研究会のページが自動的に開きます。
   
※ 申込み後、登録完了をお知らせするメールを送付いたします。数日経ってもメールが届かない場合は、お手数ですが、事務局(info_headoffice◯financialnetworkcrisis.org)までご連絡ください。(◯を@に置き換えてください。)


 プログラム

  • 平成27年 12月 2日(水)
    • 受 付 9:30~10:30

    • 開式の挨拶 10:30~10:40

      生天目 章(防衛大学校) ・ 佐藤 彰洋(京都大学)

    • セッション1  10:40~11:40 (1講演30分)

      座 長 : 佐藤 彰洋(京都大学)

      取引金額に見られる不平等性に注目した企業間取引ネットワークの流域構造の解析

      • 発表者 : 田村光太郎 ( 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻)

      日本企業およそ100万社の取引関係データを大規模複雑ネットワークとして扱うことで、企業間の取引構造にはさまざまな特徴があることが分かってきている。なかでも、企業間取引における取引に関わる2つの企業の取引金額は、2社の売上...続きを読む

      Renovating the classical production analysis by network analysis

      • 発表者 : 有賀裕二 Yuji Aruka ( 中央大学 Chuo University)

      The idea of the maximal eigenvector of the input/output system in the theory of production was already establi...続きを読む

    • 昼 食 11:40~13:00

    • セッション2 13:00~15:00 (1講演30分)

      座 長 : 有賀 裕二(中央大学)

      航空ネットワークの脆弱性に関する研究

      • 発表者 : Tran Quang Hoang Anh ( 防衛大学校)

      Transportation networks play a crucial role nowadays, not only in positive terms that include human mobility a...続きを読む

      World economy network analysis

      • 発表者 : KIEN TRAN ( National Defense Academy of Japan)

      Mainly using a data set of the World economy in 2011, many statistic methods are used to evaluate the role of ...続きを読む

      金融市場の安定、多重性の生成、そして取引戦略の役割

      • 発表者 : 森谷博之 ( Quasars22)

      絶対収益リターンを狙うトレーダーたちは、独自のアイデアで開発された多種多様な取引戦略を、適時改良することで継続的な成功を収めている。マーケットの魔術師の著者であるジャック・シュワッガーは、65名の著名なトレーダーたちにイ...続きを読む

      金融ネットワークがシステミックリスクに与えるインパクト

      • 発表者 : 前野義晴 ( 日本電気株式会社)

      銀行間のつながりをネットワークとしてモデル化する最新の分析方法を紹介する。シャドーバンキングやクレジットデフォールトスワップによるリスク移転が金融危機を誘発するメカニズムについて述べる。 ...続きを読む

    • コーヒーブレイク&ディスカッションタイム(会議室 II) 15:00~15:30

    • セッション3 15:30~17:00 (1講演30分)

      座 長 : 生天目 章(防衛大学校)

      複合連鎖災害リスクが社会に及ぼす構造的影響に対応する社会の仕組み創り~システムズ分析から~

      • 発表者 : 清水美香 ( 京都大学GSS)

      災害リスクを取り巻く状況は年々刻々と変化している。従来災害は、特定の事象に基づいて発生し、特定の地域に影響を及ぼすものと考えられてきた。このため、台風・洪水・地震といった特定の災害リスクがどの地域に影響を与えるかといった...続きを読む

      経済社会データおよび環境データを用いた空間評価指標の大規模計算

      • 発表者 : 佐藤彰洋 ( 京都大学)

      本発表では、日本国内約38万メッシュを対象とした1km四方ごとの津波災害による物理的エクスポージャーの算出を行った結果について報告する。NOAA Tsunami Information Centerが公開する過去1000...続きを読む

      ウイルス伝搬の数理モデル化とデータ駆動型シミュレーション

      • 発表者 : 佐藤彰洋 ( 京都大学大学院情報学研究科)

      リスクコミュニケーションネットワークを構築するためには、分野を越えたステークホルダー間の連携が必要である。本研究では、ネットワーク上での遅れ確率SIRモデルを用いた感染症伝播の数理モデルを提案する。このようなモデルのデー...続きを読む

    • 休憩&ディスカッションタイム 17:00~17:15

    • 招待講演 17:15~18:15

    • 座 長 : 佐藤 彰洋(京都大学)
      講 師 : 石井 隆 氏
      (General Manager, P&C Reinsurance Office, Gen Re - A Berkshire Hathaway Company)
      講演題目 :
      「世界の 再保険市場の動向と日本の現状」
      講演概要 :
      ITの普及と金融事業の自由化を背景に経済のグロバリゼーションが高度に進展し、経済リスクが多様化し、かつリスク量の増大とボラティリティーの拡大傾向が顕著である。経済リスクを許容範囲内にコントロールする必要があり、適切なリスク量の計測、資本の拡充とリスクの移転が鍵となる。保険引受リスクの移転手段が再保険及び同様な機能を持つ保険リンク証券であり、その機能と国際再保険市場の実態と動向、日本の現状と課題について説明する。
      講師紹介 :
      プロフィール :
      1981年4月 東亜火災海上再保険㈱、現在のトーア再保険㈱入社
      2000年1月 Danish Re、現在のAlterra at Lloyd’s入社
      2001年5月 General Cologne Re、現在のGen Re入社
      現在 Gen Re General Manager, P&C Reinsurance Office
      著 書 :
      「日本経済安全保障の切り札」(保険毎日新聞社, 2013)
      「リスクの本質と日本人の意識 リスクを意識しないリスク」(保険毎日新聞社, 2015)

  • 平成27年 12月 3日(木)
    • 英語企画セッション(1講演30分) 9:00~10:00

    • 座 長 : 前野 義晴(NEC)
      講 師 : Prof. Woo-Sung Jung
      (POSTECH, South Korea)
      講演題目 :
      「Econophysics and social physics: My story and the Korean community activity」
      講演概要 :
      My talk consists of the two parts: Financial Network Research and Introduction of the Korean Community. We analyzed the information flow and the complex network features on the various financial and social network. Particularly, the Asian market including the Japanese and Korean markets were investigated the network properties in comparison with those of the US market. We studied the agent-based model based on complex network model. The model helps us to understand the relationship between the opinion diffusion and the network topology. The transportation study and the bibliometrics study are also introduced. Finally, we would like to introduce the econophysics and social physics community’s activity in Korea, and its future with the regional cooperation.

      講 師 : Prof. Gabjin Oh
      (Chousan University, South Korea)
      講演題目 :
      「Measuring systemic risk based on the network theory」
      講演概要 :
      We develop a measure of systemic risk based on symbolic transfer entropy in a network of U.S. 48 industries by incorporating the strength and asymmetry of informationflows. The systemic risk started to buildup in 2001, reaches a local peak in 2004, and accelerates until thefinancial crisis of 2007/2008. The year 2004 coincides with several financial events that potentially contribute to the crisis: sudden acceleration of subprime mortgage, financialization of commodity, CDS activities. Systemic risk is closely linked to macro-economic variables,and has predictive power for future stock returns - a warning signal forthe future.

    • 休憩&ディスカッションタイム 10:00~10:15

    • セッション4 10:15~11:15 (1講演30分)

      座 長 : 有賀裕二(中央大学)

      Probabilistic Risk Assessment in Realistic Supply Chain Networks

      • 発表者 : 井手 清貴 ( 防衛大学校)

      Because of dramatic development of global supply chain and diversity of the products and consumers demands, su...続きを読む

    • 休憩&ディスカッションタイム 11:15~11:30

    • 基調講演 11:30~12:30

    • 座 長 : 生天目 章(防衛大学校)
      講 師 : 森平 爽一郎 氏
      (早稲田大学大学院ファイナンス研究科)
      講演題目:
      「デフォルト指数から何が言えるのか、何ができるのか」
      講演概要:
      2000年以降の15年間にわたる東証上場企業の信用リスクを測定するマクロ指数を開発した。構造モデル(オプション・アプローチ)によって求めた、1) デフォルト確率、2) デフォルト距離、3) 割引債信用スプレッド、などの長期日次データを用い、リーマンショックや東日本大震災時に、日本企業の信用リスクが、平時と比較しどの様に変化をしたのかを検討する。あるいは、信用リスクを示すその他の指標(CDS指数、恐怖指数、倒産件数)などと比べたときにどのようなことが言えるのかを報告する。また、ファイナンスの実証や理論的な研究に、このデフォルト指数をどのように役立てることができるのかを示す。

    • 閉式の挨拶 12:30~12:40

      有賀 裕二(中央大学) ・ 佐藤 彰洋(京都大学)