テーマ
金融ネットワークのシステミック・リスク
趣 旨
現代の金融や経済を取り巻く事象の特徴は、「金融ネットワークのシステミック・リスク」の急拡大にあるといって過言ではない。社会・経済・金融がグローバルにつながり、金融機 関の間をリスクが瞬く間に伝搬する構造になっていることから、システミック・リスクの把握と管理が個別の金融機関の経営においても、金融監督においても不可欠になってきてい るわけだ。しかしながら、我が国において、システミック・リスクについて十分に理解が広まっているとは言い難い。そこで、銀行、金融機関、金融監督当局などの実務ご担当者のみなさまの間でシス テミック・リスクに対する考え方を共有する場を提供することを目的に、オープン・フォーラムを開催する。フォーラムでは、システミック・リスクの最先端領域のご紹介をし、実務に直結 する内容となることを狙いとする。
日時(予定)
第1回 平成27年 10月 5日(月) 18:00~20:00
第2回 平成27年 10月26日(月) 18:00~20:00
会場
東京大学本郷キャンパス 伊藤国際学術研究センター 中教室
アクセス
東京都文京区本郷7-3-1
主催
金融ネットワーク研究会・オープンフォーラム事務局
共催
一般社団法人 金融財政事情研究会
参加費
無料
申込み方法
当日、直接会場でお申込み下さい。(事前登録は不要)
プログラム
- 第1回 平成27年 10月 5日(月)
講演1 18:00-19:00(質疑時間15分含む)
講師:和泉潔(東京大学工学系研究科 准教授)
演題:株式市場丸ごとシミュレーションによる市場型システミックリスクの分析
講演概要:
2012年12月より開始した東京大学と日本取引所グループの共同研究の最新成果を紹介しながら、経済実務の現場と工学技術の研究開発の融合(経工連携)への取り組みの可能性と課題について解説する。具体的には、ティックサイズ変更等の市場制度のテストを人工市場シミュレーションで事前評価した事例や、金融機関への規制が市場の安定性に与える影響をシミュレーションにより分析した事例を紹介する。
講師紹介:
東京大学教養学部基礎科学科第二卒業。東京大学大学院博士課程修了、博士(学術)。電子技術総合研究所(現 産業技術総合研究所) を経て、2010年より東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授。専門はマルチエージェントシミュレーション、社会シミュレーション。人工知能学会、情報処理学会会員。
講演2 19:00-20:00(質疑時間15分含む)
講師:竹山梓(日本銀行)
演題:システミックリスクの計量化:資金流動性と市場流動性の依存関係の検証
講演概要:
システミックな流動性リスクの顕現化の一例として、個別の市場参加者の資金繰りの状態を表す「資金流動性」と金融商品の売買の容易さを表す「市場流動性」が同時に低下していく局面についての計量分析を行う。
講師紹介:
日本銀行金融機構局企画役。2003年入行後、考査局、金融研究所などを経て現職。金融システム調査、金融機関のモニタリング、金融工学・金融経済学のシステミックリスク分析への応用の研究、実地考査などに携わる。Ph.D.(Computational Economics、Essex)。
講演3 18:00-19:00(質疑時間15分含む)