第1回 研究会

金融市場における銘柄間相互相関の可視化と予測:ペア・トレードへの応用

  • 井上 純一(北海道大学)
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複数時系列間の相互相関は、それら時系列から意味ある構造を見いだすための重要な指標ではあるが、通常用いられる相関係数は「距離の公理」を満たさない。 そこで、我々は相関係数をある規則のもとに「距離」へと非線形変換し、この距離を所与として多次元尺度構成法を用い、各銘柄価格を2次元平面上に 「時間依存散布図」として描くことで、複数時系列間の「相互関係変化の可視化」を試みた。特に、実データとして平成23年3月11日の東日本大震災前後の 日経株価をとりあげ、震災直後には多くの銘柄(チャンネル)が同時に売られることで、銘柄間相関が強まり、散布点群が狭く限定された領域に収縮することが可視化できた。 また、この相互相関を多層ランダム磁場イジング模型の「外場」として導入することで、複数銘柄価格を同時予測する方法も提案した。 また、密接に関連する問題として、相関係数評価における時系列の「非定常性」がポートフォリオ最適化に与える影響についても詳しく議論した。 本発表では、これらの結果を概観するとともに、相互相関可視化の新たな利用法として所謂「ペア・ドレード」に対する最適ペアの選択、および、「ペア」「ペア対」「ペア対対」・・・等、 「階層的ペア・トレード」を構成することによる資産最適運用可能性について議論する

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